中小企業の業績悪化のパターンと企業再生① - 多くの中小企業は赤字
2013/02/11|ビジネスコラム
企業のライフサイクル
個人にライフサイクルがあるように、企業にも発足、成長・発展、安定、衰退というライフサイクルが存在します。
本稿では、この企業のライフサイクルに潜む、中小企業の赤字パターンについて、私なりの見解を書かせていただきたいと思います。
企業の創業と成長
多くの中小企業は、何らかの社会の要請を受け、または社会の要請を見込み、この社会に登場しました。
そして、多くの場合、創業当初は売上から経費を差し引いた残りの範囲で、創業者や創業メンバーが収入を得て企業をやりくりします。
その後、売上が増加あるいは維持できた企業は存続していきますが、残りの企業は、残念ながら創業0年~3年の間に消滅していきます。
ここからさらに売上が増加していく企業は、新たに従業員を雇用したり、設備投資を行なったりと、まさに企業としてその体をなしていき成長していきます。
一方、売上が増えると共に、経費も増加していきます。
また、一般的には企業規模の増加に伴い資産(売掛金、設備など)が増加し、結果として負債(借入金)も増加していきます。
特に中小企業の場合は、外部からの出資すなわち増資がほとんどなされないため、借入金に頼らざるを得ないことが多いのです。
成長期には、多くの中小企業では、節税対策もあり、役員報酬を引上げや、設備投資なども盛んに行なわれます。
多くの中小企業は赤字
企業のライフサイクルの中の成長期が終焉すると、安定期に入って行きます。
この頃になると、売上高が停滞する一方、経費は増加傾向が続き、中々利益が出にくい状態になります。
役員報酬や決算の調整を行ない何とか赤字を出さない経営を行なう企業が多く存在します。
(※赤字を出すと金融機関からの資金調達に支障を来す恐れがあるため)
経済社会環境は必ず変化していきます。
環境が変われば、為替相場、大手企業の海外生産、取引企業、担当者、取扱製品、求められる仕様や品質、原価なども当然変わって行きます。
また、ライバル企業の出現や法規制の変更などもあります。
そのような経営環境の変化に翻弄され、赤字に陥っているのが多くの中小企業の現状です。
企業が同じ事業から永遠に利益を得ていくことは非常に難しいと考えられます。
できれば余裕のある内に、新たな収益の柱になるような事業やビジネスモデルを検討し、経営の改革を進めるべきですが、中小企業にはあらゆる面で中々そこまでの余裕がないことも実情です。