中小企業の業績悪化のパターンと企業再生⑦ - 販売費および一般管理費の削減(2)
2013/02/11|ビジネスコラム
販売費および一般管理費の削減(2)
ここでコスト(経費)削減時、あるいは日頃の業務において大切な考え方を紹介させていただきます。
それは「全てのコスト(経費)は、利益の犠牲価値でなければならない」という考え方です。
会社の本質的な目的は、存続することです。
そして、存続するために利益をあげることです。
そうであれば、全てはそこ(利益)にフォーカスされるべきという考え方です。
会社は、人・モノ・金などの経営資源を投じて利益をあげますが、投資あるいはコスト(経費)という会社にとっての犠牲をかけて、目指すものは利益の獲得です。
したがって、そのコスト(経費)は、短期・中期・長期的に犠牲価値として何らかの利益を会社にもたらすものなのかどうかという判断軸で検討されるべきという考え方です。
これをいつも念頭に入れ、経営判断を行なっていくことが大切です。
また、全ての従業員にこの様な考え方を浸透させることも大切です。
さて、人件費以外の販売費および一般管理費の削減ですが、通常は、金額ボリュームが大きいモノから検討していきます。
※あまり、金額ボリュームが小さいモノにエネルギーを注いでも、(時間あるいはエネルギーあたりの)効果が限定されるからです。
代表例として、以下のようなモノが削減の対象になることが多いです。
- 保険料(積立式の保険などで金額が大きなものなど)
節税目的等で景気が良いときに加入したモノがそのままになっているものなど - 交際接待費
それこそ、利益の犠牲価値として適正かどうかで検討します。
※闇雲に何でも減らすと言うわけでもありません。 - 賃借料・地代家賃
事務所や工場の家賃や地代などです。
今は、引き下げの交渉をしている企業も多くなっています。
引き下げのための代行業者もいます。 - 通信費
これもインターネットや光電話など、会社負担の携帯電話の統一化などで改善は可能です。 - 水道光熱費
ムダの代表例です。電気・ガス・水道の垂れ流し、ムダを徹底的に排除します。 - 支払運賃
複数の業者の料金プラン等を検討し、削減を図ります。 - 雑費
これはくせ者です。私の経験で言いますと、この中身を正確に把握している経営者はほとんどいません。
色々なムダがここに含まれていることが実は多いのです。
まずは、徹底的に中身のチェックをするべきです。
ここでは人件費以外の販売費および一般管理費の削減について述べてきましたが、ここに記させていただいたものはほんの一例です。
赤字体質からの脱却には、コスト構造の変革が不可欠です。
以下の2つを念頭に、是非、コスト(経費)の削減を断行していただきたいと思います。
- 「経費削減に聖域なし」
- 「全てのコストは利益の犠牲価値でなければならない」